別冊キラン|想定外と想定内 田島伸二












「想定外」を喧伝する想定内事情

ロバート・ゲラー東京大教授(地震学専門)が、英国の科学誌ネイチャーで、日本の地震予知はまったく不毛であり、地震を予知できることはないと論文を発表した。地震学の専門家が言うのだから相当の自信をもっているのだろう。

ただし、彼は、今回の福島第1原発事故については、「最大38メートルの津波が東北地方を襲ったとされる1896年の明治三陸地震は世界的によく知られている」とし、「当然、原発も対策されているべきで、『想定外』というのは論外だ」と述べている。

これは当初から指摘していた点であるが、マスコミや専門家はこぞって「想定外」ということを、まるで東電から依頼されたかのように述べていた。

しかし1896年の大津波や、これまでの歴史を振り返ると三陸海岸にはたえず巨大な津波が襲来していたのは誰しも知っていることなのだ。

こうした中で、15メートルの津波で、福島第一原発がすべての電源機能を喪失し、水素爆発が起きたことは、すべて東電とそれを監督した政府の全責任である。



日本では自然災害は伝統的に許容する環境があるが、原発の安全性において、このような姿勢は絶対に許されない。

去る1月には、前資源エネルギー庁の長官が東電の顧問に就任しているのが発覚したが、民主党政府はそれを強引に許容した。

しかし、官民癒着がもたらした醜態をみて、この天下りを「社会的にも許されない」と批判するに至ったが、こうした政管癒着の姿勢が今回の大災害の裏に存在しているのは紛れもない事実。

民主党は、国民のすべての期待を裏切って天下りを許して、このような災害を作り出しているとも言える。その起源はすべて自民党から発したものだけに、こうした二大政党が大同団結でもしたら、あらゆる矛盾が隠蔽されていくあろう。健全な日本の発展などとうてい望めない。

こうしたことは、すべて想定内である。

2011/04/14



東京新聞 (2011年4月14日)
「日本政府は不毛な地震予知を即刻やめるべき」などとする、ロバート・ゲラー東京大教授(地震学)の論文が14日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。 「(常に)日本全土が地震の危険にさらされており、特定の地域のリスクを評価できない」とし、国民や政府に「想定外」に備えるよう求めた。「今こそ(政府は)地震を予知できないことを国民に率直に伝えるとき」とも提言しており、世界的な学術誌への掲載は地震多発国・日本の予知政策に影響を与える可能性もある。
論文では、予知の根拠とされる地震の前兆現象について「近代的な測定技術では見つかっていない」と指摘し、「国内で1979年以降10人以上の死者が出た地震は、予知では確率が低いとされていた地域で発生」と分析。マグニチュード8クラスの東海・東南海・南海地震を想定した地震予知は、方法論に欠陥がある、としている。
教授は「地震研究は官僚主導ではなく、科学的根拠に基づいて研究者主導で進められるべきだ」として、政府の地震予知政策の根拠法令となっている大規模地震対策特別措置法の廃止を求めた。
また、福島第1原発事故についても「最大38メートルの津波が東北地方を襲ったとされる1896年の明治三陸地震は世界的によく知られている」とし、「当然、原発も対策されているべきで、『想定外』は論外だ」とした。

テレ朝(2011年4月14日)
枝野官房長官は、福島第一原発事故に関連し、前の資源エネルギー庁長官が東京電力の顧問として再就職していたことについて「チェック体制が甘くなったと疑われても当然だ」という認識を示しました。
枝野官房長官:「チェック体制が甘くなっていたのではないかと疑義を持たれる方が多数おられることは当然だ。法律上の天下りに該当するのかどうかに関わらず、社会的に許されるべきではない」
資源エネルギー庁の前の長官は、菅政権のもとで去年8月に退官後、今年1月に東京電力の顧問に就任しました。資源エネルギー庁は、原発の安全確保などを行う原子力安全・保安院の上部組織で、事実上の天下りともいえる再就職ですが法律での規制はありません。枝野長官は、「ほかの電力会社を含めて許さない姿勢で対応する」とこうした再就職を見直す考えを示しました。