別冊キラン|沈黙の珊瑚礁 田島伸二












原発事故を予見した寓話

寓話集 『沈黙の珊瑚礁』は、20年前に書かれた本で、すべての物語が原発の廃棄物を描いています。

その物語の中には、原発で働く作業員で白血病になった方や2050年の、アジア地域の原発による石棺を描いたものがあります。

ある人々はこれを2011年3月に生じた福島第一原発事故を予知した本と言うのですが、残念ながら誰も知りません。日本人は知っているように見えて、なにも知らないのです。

このたびの事故がきっかけで、 『沈黙の珊瑚礁』第一話「海底コンクリートのつぶやき」が動画にされたようです。


フクシマ沖合に蓄積した放射能砂にコンクリートが流された

福島第一原発事故で海底に溜まった放射能を含んだ砂を処理するために特殊コンクリートが流されました(12/02/22)。

報道によれば、特殊コンクリートの耐久性は、50年だそうです。そのあと高レベル放射能廃棄物は、波によって広い海へ拡散していってしまうのです。これがどれだけ高レベルの放射性廃棄物か、それを考えるだけで私はショックで倒れてしまいます。

人間はなんでもかんでも臭いものに蓋をするときには、コンクリートを使うのです。コンクリートは非常に便利ですが、海底では塩分があるので50年以上は持ちません。あっという間に放射性物質を閉じ込めたコンクリートもボロボロに崩れてしまうのです。

もし千メートルを超えるような深海に捨てたら、水圧もあってあっという間に爆発です。

人間は視界から見えなくなることだけを目指して海底へすべてのものを捨て続けるのです。

こうした行為のリベンジは、われわれの次世代が放射能まみれになって直撃され苦悶を続けて生きるのですが、目前の利益しか視界に入らない人間は先のことは全く考慮しません。

なぜって海は広くて深いし誰にも見えませんからね。




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